金融の円滑化に関する基本方針および体制の概要

当行では、お客さまへの円滑な資金供給を最も重要な社会的役割のひとつと位置付け、その実現に取り組んでおります。

当行では、「金融円滑化の基本方針」に基づいて、中小企業のお客さままたは住宅ローンをご利用中のお客さまからのご返済条件の変更などのお申し込みに対して、営業店・本部が従来以上の認識と責任感を持って、次のとおり対応させていただくこととし、金融の円滑化の実現に向けて一層努力してまいります。

平成25年3月末日の中小企業金融円滑化法の期限到来などを踏まえ、一部内容を見直しておりますが、中小企業金融円滑化法に基づき平成22年5月14日に公表した内容と基本的には同一の内容です。

第1 弁済負担軽減などの実施に関する方針の概要

金融円滑化の基本方針

  • (1)お客さまへの円滑な金融仲介は、当行の最も重要な社会的役割のひとつであり、中小企業者や住宅資金借入のお客さまからの新規のお借り入れのお申し出や、お借り入れの弁済負担軽減などに関わるご相談には真摯な対応を心がけ、お客さまのご希望に沿うよう努力します。
  • (2)与信判断にあたっては、決算内容や業種などのお客さまの外形的な事実だけではなく、経営実態や特性をきめ細かく検討するなど、個別企業や個人の実情に応じた的確な融資判断・条件検討を行います。
  • (3)お客さまからのお申出事項に対しては、お客さま本位の姿勢で、契約内容や結論にいたった理由・経緯を可能な限り丁寧に説明します。
  • (4)お客さまにとって必要と判断した場合には、経営改善に向けての経営相談・経営指導を行うよう努めます。
  • (5)お客さまからのご照会・ご相談・ご要望・苦情などについては、顧客保護など管理方針に則り、適正な対応に努めます。
  • (6)お客さまからのお借り入れの弁済負担軽減などに関わるご相談に際しては、守秘義務に留意しつつ、お客さまの同意を前提に他金融機関などと情報の確認を行うなど、緊密な連携をはかります。
  • (7)与信判断にあたって当行担当者が、お客さまの事業価値を十分に把握・検討できるよう、必要な教育研修または臨店指導などを行います。

お客さまへの対応

お借り入れやお借り入れの弁済負担軽減などに関わるお申し出への対応

  • (1)お客さまからの、新規のお借り入れのお申し出や、お借り入れの弁済負担軽減などに関わるご相談などには、金融円滑化の趣旨を踏まえて、親身な対応を心がけ、お客さまのご希望に沿うよう努力します。
  • (2)お客さまからの事業再生ADR手続きの実施の依頼を受けた事業再生ADR解決事業者より当該事業再生ADR手続きの実施を依頼するか確認があった場合には、迅速な紛争解決のために可能な限り対応するよう努力します。
  • (3)地域経済活性化支援機構または東日本大震災事業者再生支援機構からの債権買取申し込みまたは事業再生計画にしたがって債権の管理または処分をすることの同意の求めがあった場合には、可能な限り応じるよう努力します。また、当該同意に係る事業再生計画について、貸出条件変更などに、可能な限り応じるよう努力します。

お客さまの経営改善支援・再生支援

  • (1)弁済負担軽減の最終目的はお客さまの経営改善であり、弁済負担軽減後の経営状況に関する継続的な確認・検証および指導を行うよう努めます。
  • (2)お客さまに対する経営相談・経営指導・経営改善に向けた取り組みの支援および再生支援を積極的に行うことが、お客さまの経営改善を通じて、当行のリスク削減に資するものでもあることを認識し、お客さまに対する経営相談・経営指導に向けた取り組みの支援および再生支援を可能な限り行うよう努めます。
  • (3)当行は継続的な企業訪問などを通じて企業の技術力・販売力や経営者の資質といった定性的な情報を含む経営実態を十分に把握し、きめ細かな経営相談、経営指導、経営改善計画の策定支援などを通じて積極的に企業・事業再生に取り組みます。

お客さまへの説明

お客さまに説明を行う者は、適切且つ十分な説明を行うものとします。特に謝絶または資金回収を行う場合には、可能な限り根拠を示して、お客さまの理解と納得を得るための説明に努めます。

お客さまからのお問い合わせなどへの対応

  • (1)お客さまからの照会・相談・要望・苦情などに対応する場合は、適切且つ十分な対応を行います。
  • (2)全営業店に「ご返済相談窓口」、本部のお客さま相談室に専用フリーダイヤルを設置し、お客さまからの照会・相談・要望・苦情などに対応します。

お客さまの事業価値分析

  • (1)当行は、金融円滑化の趣旨を踏まえ、お客さまの事業価値分析に関わる情報収集・調査・研究を行い、事業価値分析手法の高度化に努めます。
  • (2)当行は、当行担当者の事業価値分析能力を向上させるために、必要な教育研修または臨店指導などを行います。

他金融機関などとの連携

  • (1)お客さまから、お借り入れの弁済負担軽減などに関わる相談などがあった場合には、金融円滑化の趣旨を踏まえ、他金融機関などとの取引状況などを丁寧に伺い、可能な限り把握したうえで、適切に対応します。
  • (2)お客さまからの要望があった場合や、他金融機関などから確認依頼があった場合には、守秘義務および独占禁止法違反行為とならないよう留意しつつ、お客さまの同意を取得したうえで、他金融機関などとの緊密な連携をはかります。
  • (3)住宅金融支援機構借入のあるお客さまの場合、守秘義務および独占禁止法違反行為とならないよう留意しつつ、お客さまの同意を取得のうえ、住宅金融支援機構などとの緊密な連携をはかります。

第2 弁済負担軽減などの状況を適切に把握するための
体制の概要

金融円滑化管理責任者などの設置

金融円滑化管理責任者は、金融円滑化管理の重要性を十分に理解し、この理解に基づき当行の金融円滑化の状況を的確に認識し、適正な金融円滑化管理態勢の整備・確立に向けて、方針および具体的な方策を検討し実施します。

特に、当行が取引先企業に対する経営相談・経営指導および経営改善に向けた取り組みへの支援を積極的に行うことは、当該企業の経営改善を通じて当行の信用リスク削減に資するものであることを認識し、取引先企業に対する経営相談・経営指導および経営改善に向けた取り組みを積極的に支援する方針および具体的な方策を検討し実施していきます。

本部

責任者名称 役割 責任者
金融円滑化管理責任者 金融円滑化管理全般を統括する責任者 融資統括部担当役員
金融円滑化責任者 金融円滑化にかかる各担当セクションの態勢整備の確立 融資統括部長(事業性融資)
営業企画部長(住宅ローン)
金融円滑化担当
グループ長
方針、規則、施策などの策定
金融円滑化にかかる実施状況のモニタリング開示、当局報告など
融資統括部融資企画グループ長
(全体取りまとめおよび事業性融資)
営業企画部営業開発グループ長
(住宅ローン)

営業店

責任者名称 役割 責任者
金融円滑化営業店責任者 全体管理(営業店の態勢整備の確立、実施状況の点検)
融資プロセス(条件変更などへの対応含む)管理
支店長(出張所は所長)
金融円滑化営業店リーダー 金融円滑化の基本方針に基づく条件変更などの迅速な実施
お客さまからの苦情相談受付
案件管理、件数、金額などの取りまとめ、報告
融資担当役務者(出張所は内部役務者)

経営支援推進委員会の設置

中小企業などの金融円滑化に向けた取り組みを強化し、経営改善支援を着実に推進するため、頭取を委員長、金融円滑化管理責任者である融資統括部担当役員を副委員長、常務以上の役員、関連部長などを委員とし、以下の事項を所管する経営支援推進委員会を設置しております。
経営支援推進に関する下記事項の進捗管理、協議、改善指示を行う。

  • (1)お客さまからの弁済負担軽減申し出などの受け付け状況
  • (2)お客さまからの弁済負担軽減申し出などに対する謝絶・取り下げ案件
  • (3)お客さまからの弁済負担軽減申し出などに関する事故・苦情・トラブル事案
  • (4)経営改善支援に係るコンサルティング機能発揮の推進状況
  • (5)金融円滑化、経営改善支援への対応を適切に行うための態勢整備の状況

取締役会・経営支援推進委員会などへの報告

金融円滑化管理責任者は金融円滑化管理、経営改善支援の状況などについて、原則として1月、4月、7月、10月の年4回または必要に応じて随時、経営支援推進委員会および必要に応じて取締役会などに報告します。

  • (1)金融円滑化管理責任者は、定期的にまたは必要に応じて随時、関係する本部各部室と協働して、経営支援推進委員会が所管する事項について取りまとめのうえ、経営支援推進委員会および必要に応じて取締役会に対して報告を行う。
  • (2)金融円滑化、経営改善支援に関して、経営に重大な影響を与える、または顧客の利益が著しく阻害される事案については、金融円滑化管理責任者は経営支援推進委員会および必要に応じて取締役会に速やかに報告する。
  • (3)金融円滑化管理責任者は、金融円滑化、経営改善支援に関して取締役会が監査役への直接報告が必要と決定した事項について、遅延なく監査役に報告する。

信用リスク管理部署

信用リスク管理部署は、きめ細かいリスク管理による当行財務の健全性維持をはかるとともに、お客さまへの円滑な金融が当行の最も重要な社会的役割のひとつであることを認識し、お客さまの経営実態や特性に応じた適切なリスクテイクによる円滑な資金供給の確保に努めます。

金融円滑化の状況のモニタリング態勢

当行における金融円滑化の状況を的確に認識し、お客さまの経営改善支援なども含めた金融円滑化の適切な遂行を確保するため、金融円滑化管理責任者は、金融円滑化責任者および関係する本部各部室と協働し、金融円滑化の対応状況について報告を求める、また、実地調査を行うなどのモニタリング態勢を整備のうえ、定期的にまたは必要に応じて随時、モニタリングを実施します。

外部委託先

金融円滑化に係る業務が外部業者に委託されている場合、金融円滑化管理責任者は、当該外部業者において金融円滑化管理の実効性が確保されるよう、必要に応じ当該委託の委託先管理部署と協働して、当該外部業者に対する指導・監督を行います。

情報開示・行政庁への報告

「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」などで求められる金融円滑化に関する情報開示・行政庁への報告に関しては、関係する本部各部室が作成した資料を分析・整理のうえ、金融円滑化管理責任者の承認を得たうえで、情報開示・行政庁への報告を行うほか、経営支援推進委員会に報告するものとします。

貸出の条件変更申し出の進捗管理徹底のための記録・保存

お客さまからの申出後、遅滞なく折衝し、説明責任を果たしていくために、申し出から応諾、謝絶、取り下げにいたるまでの折衝経緯を記録・保存・管理し、厳格な進捗管理を実施します。

第3 弁済負担軽減などの苦情相談を適切に行うための
体制の概要

お客さまからのお問い合わせなどへの対応

全営業店に「ご返済相談窓口」、本部のお客さま相談室に専用フリーダイヤルを設置し、お客さまから照会・相談・要望・苦情などに適切且つ十分な対応を行います。
苦情については、内容を適切に記録・保存するとともに当行全体で問題を共有し改善に努めます。

解決に向かっての対応

迅速対応

苦情・トラブルの対応にあたっては、初動が極めて重要であり対応が遅れればそれだけリスクが増大し解決が困難になるため、迅速かつ適切な対応を行います。対応にあたっては、本部・営業店一体の対応を行います。

誠実な対応

苦情・トラブルの対応にあたっては、一層の顧客保護および利便の向上に資するよう誠意をもって対応します。

お客さまの理解と納得を得た解決

苦情・トラブルへの対応は、単に処理、お手続きの問題と捉えるに留まらず、その内容に応じ初期の紛争処理の問題として、可能な限りお客さまの理解と納得を得て解決することを目指します。お客さまとのトラブルなどについて、お客さまの理解と納得を得られない場合には、公正な解決をはかるために、必要に応じてあっせん委員会への申し立てを検討します。

公明正大で合理的な解決

苦情・トラブルの対応にあたっては、常識・良識に照らして適切な方法を心がけます。お客さまに金銭上の損害を与えた場合やお客さまから損害賠償の要求があった場合には、法的判断を踏まえた合理的な解決を行います。

第4 弁済負担軽減などを行った中小企業者であるお客さまの事業についての改善または再生のための支援を適切に
行うための体制の概要

お客さまの経営改善支援・再生支援

  • (1)弁済負担軽減の最終目的はお客さまの経営改善であり、弁済負担軽減後の経営状況に関する継続的な確認・検証および指導を行います。また、お客さまに対する経営相談・経営指導・経営改善に向けた取り組みの支援および再生支援を積極的に行うことが、お客さまの経営改善を通じて、当行のリスク削減に資するものでもあることを認識し、お客さまに対する経営相談・経営指導に向けた取り組みの支援および再生支援を可能な限り行います。
  • (2)本部各部室および各営業店が協働して、継続的な企業訪問などを通じて企業の技術力・販売力や経営者の資質といった定性的な情報を含む経営実態を十分に把握し、きめ細かな経営相談、経営指導、経営改善計画の策定支援などを通じて積極的に企業・事業再生に取り組みます。また、お客さまのご要望がある場合には、必要に応じてコンサルティング会社の紹介を検討します。

以 上